こんにちは!
「生け花を始めてみたいけど、どの流派が自分に合うのかさっぱり」と感じたこと、ありませんか? 実は筆者も同じでした。そこで――歴史ある“正統派”、自由度バツグンの“アート派”、暮らしに寄り添う“ナチュラル派”という3タイプにざっくり整理し、それぞれの魅力と選び方のコツをまとめてみました。どうぞ気軽に読んでくださいね。
1 まずは全体像を掴もう
■ 正統派(以下「A流」と呼びます)
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イメージ:神社仏閣や格式ある式典でも飾られる“ザ・伝統”。
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ポイント:枝や花を立体的に組み上げる古典の「型」が豊富。季節感と礼法を大事にする。
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向く人:歴史や作法も丸ごと味わいたい/基本を体系的に学びたい。
■ アート派(以下「B流」)
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イメージ:ギャラリーやイベントで目を引く前衛作品。
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ポイント:花以外の素材や斬新な花器もOK。「自由に心を形に」が合言葉。
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向く人:個性を全開にしたい/アート思考で作品づくりを楽しみたい。
■ ナチュラル派(以下「C流」)
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イメージ:リビングやダイニングにすっと溶け込む自然体の花。
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ポイント:浅い器や横長の構成が特徴。景色をそのまま室内に取り込む感覚。
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向く人:暮らしに花を取り入れたい/気負わず実用的に続けたい。
2 歴史をざっくり
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A流の源は寺院の供花と言われ、やがて武家や町人に広がって「立体的に花を組む技法」が確立しました。
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B流は近代に誕生。「花はどこでも生けられる」という思想で、既成概念を次々更新。
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C流は洋風インテリアが普及し始めた時代に登場。浅い水盤に花景色を写し取ることで日常空間と調和させました。
※年代や創始者は文献によって幅があるため、ここでは割愛しています。
3 それぞれのレッスン風景
A流 | B流 | C流 | |
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最初に学ぶこと | 伝統の基本型と礼法 | 花材の扱い方+発想トレーニング | 器と花材のバランス感覚 |
教室の空気 | 静かで厳かな雰囲気 | 和気あいあい&実験ムード | 生活感あるナチュラルさ |
作品づくり | 季節行事の主役になる大作も | テーマ次第で巨大インスタレーションも | 食卓や玄関に飾れるサイズが中心 |
早期の達成感 | 基本形が整うと“格”が出る | 自由課題で個性が光る | 家族や友人にすぐ披露できる |
どの流派も初心者クラスを用意しているので心配は不要。ただし雰囲気は結構違うので、見学や体験受講で肌感覚を確かめるのがベストです。
4 選ぶときのリアルな条件
- 通いやすさ
仕事帰りに寄れるか、オンラインがあるか――距離と時間は長続きのカギ。 - 月謝と花材費
予算オーバーは挫折のもと。花材を自分で用意できるかも要チェック。 - 先生との相性
技術以上に“教え方の波長”が合うかどうかが上達スピードを左右します。 - 発表の場
展覧会や級・師範免状など、目標が設定しやすいかも動機づけに有効。
5 始めてから上達する3ステップ
STEP1 一輪を観察
買ってきた花をいきなり切らず、光の当たり方や茎の曲がりをじっくり眺めます。そこに“生かすべき魅力”があります。
STEP2 3本構成で「天地人」
長・中・短の3本だけで三角形を作り、奥行きを感じる位置へ置き直してみましょう。これだけで作品らしく見えます。
STEP3 余白を味方に
空いているスペースは「もったいない」ではなく「呼吸する場所」。思いきって空けると花がより語り始めます。
6 よくあるQ&A
Q:途中で別の流派に変えてもいい?
A:もちろんOK。 基礎を一つ学んだあと他流の発想を取り入れる人も多いです。相乗効果で視野が広がります。
Q:花材が高そうで不安…
A:スーパーや庭の枝でも十分。 本数を絞って丁寧に挿けるのが上達の近道です。
Q:作品を家族が倒しそう…
A:浅い器+広めの水盤なら安定度アップ。 C流系の器使いがヒントになります。
7 まとめ
- A流=正統派の型と季節感
- B流=自由奔放な創造性
- C流=暮らしに寄り添う実用性
体験レッスンで空気を感じ、無理なく続けられる条件を整え、まずは花を1本挿けてみる――それだけで、日常に“静かな深呼吸”が生まれます。さあ、あなたの感性にぴったりの流派を探しに行きましょう!