こんにちは！今日は生け花愛好家の皆さんも、これから始めたい方も必見の内容をお届けします。「ここの先生が薦める花材が、他では使わないの？」なんて疑問を持ったことはありませんか？
実は生け花、流派によって花材選びの考え方がかなり違うんです！私も最初は「花は花でしょ？」と思っていましたが、いざ勉強してみると奥深さにびっくり。
特に初心者さんが陥りがちな「これ使っちゃダメだったの!?」というミスや、逆に「こんな素材も使えるの！」という発見を、このブログではたっぷりシェアしていきます。
東京・池袋で60年以上の伝統を持つ「生け花教室」の知見をもとに、流派の花材選びの極意をわかりやすく解説します。
花屋さんで迷わず選べるようになる実践的な知識から、季節感の出し方まで、明日からすぐに役立つ情報が満載です！
それでは、流派別の花材選びの世界へご案内しますね。
1. 「これ選んじゃダメ！」プロが教える流派別NG花材とその理由
生け花は日本の伝統文化として世界中で愛されていますが、各流派によって花材選びの考え方は大きく異なります。初心者がつまずきやすいのが「この流派ではこの花材は使わない」というルールです。今回は主要な流派別にNG花材とその理由を解説します。
まずは、過度に人工的に加工された花材は避けるべきとされている流派です。染色された花やグリッター加工された葉は「自然の美しさを尊ぶ」という池坊の理念に反するため、正式な作品では使用しません。特に本立て花では厳格にこのルールが守られています。
一方、自由な表現が尊重される流派では、意外にも「枯れかけた花」の使用には注意が必要です。「生命力の表現」という考え方に合わないためです。ただし、作品のコンセプトによっては枯れ具合を敢えて活かす高度な技法も存在します。
そして「強い香りのする花」が控えられることがあります。特に食事の場に飾る際は、食事の香りと競合しないよう、ユリやフリージアなど香りの強い花材は避ける傾向があります。茶花としての利用を重視する流派ならではのマナーです。
また、季節外れの花材、特に人工的に時期をずらして栽培された花は基本的に使用しない流派があります。「今、ここ」の季節感を大切にする未生流では、たとえ美しくても季節を無視した花材選びはNGとされています。
欧米原産の大輪の花（特に大輪のバラやヒマワリなど）を伝統的な様式で活ける際には注意が必要です。日本の伝統的な空間との調和を重視するため、格調高い作品では控えられることがあります。
これらのルールは絶対的なものではなく、各流派の歴史や美学に根ざした「心得」と捉えるべきでしょう。プロの生け花作家は、これらのルールを理解した上で、時に意図的に破ることで新しい表現を生み出しています。初心者のうちは基本を守りながら、徐々に自分なりの表現を探求していくことが大切です。
2. 思わず「へぇ〜」となる！流派によって全然違う花材の選び方
生け花の流派によって花材の選び方が大きく異なることをご存知ですか？日本の伝統芸術である生け花は、単に花を生けるだけでなく、各流派の哲学や美学が花材選びにも反映されています。
「自然の摂理」を重視し、四季の移ろいを表現するため、旬の花材を優先的に選びます。松や梅、菊といった日本の伝統的な植物が好まれ、特に松は「心」、梅は「幹」、菊は「技」と位置づけられることも。一方他流派ではより現代的かつ革新的なアプローチが特徴で、従来なら花材として使わなかった金属や石、プラスチックなども積極的に取り入れます。
「自然の美しさをそのまま生かす」という理念から、花材の持つ自然な曲線や形状を尊重します。特に野花や庭花を多用し、身近な自然との調和を大切にしています。
一方は禅の思想に影響を受け、「余白の美」を表現するため、花材は必要最小限にとどめ、一輪の花でも深い意味を持たせる傾向があります。
古流松藤会は「自然の形態美」を重視し、枝物を多用します。嵯峨御流は宮廷文化の影響から優雅さを表現するため、華やかで気品ある花材を好みます。
興味深いのは、同じ花材でも流派によって全く異なる扱い方をすることです。例えば竹は１つには力強さの象徴として直線的に使われますが、他では曲線を強調したり、切り込みを入れたりと大胆な加工が施されます。
また季節感の表現も流派によって差があります。季節の花材選びを非常に重視しますが、他では季節を超えた創造性を優先することも。
初心者が生け花を始める際、どの流派を選ぶかによって集める花材も変わってくるため、各流派の特徴を理解しておくことは花材の無駄買いを防ぐことにもつながります。
3. 花屋さんでサクッと選べる！流派別おすすめ花材カタログ
花屋さんに立ち寄ったとき、自分の流派に合った花材をスムーズに選べたら素敵ですよね。ここでは主要な生け花流派ごとに、花屋さんで見つけやすいおすすめ花材をご紹介します。これを頭に入れておけば、次回のお稽古の花材選びがぐっと楽になるはずです。
【１】
・直線的な花材：ストレリチア、グラジオラス、アイリス
・曲線美を表現：シダ類、ドラセナ、ユリカーブ
・存在感のある花：大輪の菊、ダリア、芍薬
・季節感を表す枝物：桜、梅、柳、紅葉
【２】
・モダンな印象：アンスリウム、カラー、プロテア
・ユニークな形状：コキア、アロエ、エアープランツ
・素材感を楽しむ：パンパスグラス、ミスカンサス、コットン
・革新的アレンジに：オクラの実、アーティチョーク、パイナップルリリー
【３】
・自然な曲線美：スイートピー、クレマチス、デルフィニウム
・立体感を出す：オンシジウム、ガーベラ、ラナンキュラス
・季節の野花：リューココリーネ、ブルーレースフラワー、サクラソウ
・留め材として：アスパラガス・フェルン、レザーファン
【４】
・シンプルな美しさ：ユリ、バラ、カーネーション
・直線的なアクセント：リアトリス、サルビア、ベロニカ
・伝統を感じる：松、竹、梅
・独自性を出す：ユーカリ、スモークツリー、綿花
【５】
・格調高い印象：蘭、牡丹、菖蒲
・伝統的な和の花材：菊、椿、山茶花
・四季を表現：桔梗、朝顔、桜、紅葉
・格式を整える脇役：南天、千両、万両
それぞれの流派が持つ特性や表現方法に合わせた花材選びができれば、その流派の美意識をより深く表現できます。例えば日本橋三越本店の花材売り場や青山フラワーマーケットでは、スタッフに流派名を伝えるだけで適した花材をアドバイスしてくれることも。
また、季節の移り変わりを大切にする日本の生け花では、旬の花材を選ぶことも重要です。各流派の基本を押さえつつ、季節感を意識した花選びを心がけると、より深みのある作品に仕上がるでしょう。
5. 季節外れはNG？生け花マスターが伝授する流派別花材選びのルール
生け花の世界では「旬の花材を使う」という基本がありますが、流派によって花材選びのルールは微妙に異なります。季節外れの花材を使うことは本当にNGなのでしょうか？各流派の考え方を紹介します。
基本的に「現在咲いている花」を重視します。季節感を大切にし、「今、ここ」を表現するため、季節外れの花材は避けるのが正統とされています。特に立花や生花では、自然の姿を生かすことが重要視されるため、旬の花材を使うことが暗黙のルールです。
一方、より創造性が重視される流派では、季節外れの花材も「表現の一部」として許容される傾向があります。草月流の創始者・勅使河原蒼風は「花以外のものも花になりうる」という思想を広め、花材選びの自由度を高めました。ただし、作品のテーマや場に合わせた選択が求められます。
また「自然の美しさを室内で表現する」という観点から、季節の花材を基本としながらも、花屋で手に入る花材であれば比較的柔軟に取り入れる考え方があります。特に近年は国際的な流通により様々な花が一年中手に入るようになったことで、「その場所での季節感」より「調和」を重視する傾向も見られます。
「いのちの表現」を大切にするため、旬の花材を使うことが基本ですが、同時に花材の持つ個性や特性を重視します。季節外れの花材でも、その花が持つ「いのち」を表現できるのであれば、使用することもあります。
伝統と格式を重んじ、本来の季節に合った花材を選ぶことが多いですが、現代的なアレンジメントでは季節外れの花材も取り入れることがあります。ただし、花材の組み合わせにおいて色彩や形状のバランスを特に重視します。
実際のところ、現代の生け花では季節外れの花材を使うことが絶対的なNGというわけではありません。むしろ、なぜその花材を選んだのか、どのような意図や感性でその組み合わせを選んだのかという「花材選びの理由」が重要になっています。特に展示会や大きなイベントでは、季節を先取りした花材を使うこともあるのです。
プロの生け花師範は「ルールを知った上での逸脱」を大切にします。「季節の花材を基本としながらも、作品のテーマによっては季節外れの花材を効果的に使うこともある」と語っています。
初心者の方は、まず基本として季節の花材を使うことから始め、徐々に表現の幅を広げていくことをおすすめします。生け花の真髄は、単なるルールの遵守ではなく、花材との対話から生まれる美の表現にあるのです。